
前年比1.44倍 !過去最多のフィッシング数から見える“サイバー脅威”【フィッシングレポート2025・第1回】
アクモスセキュリティチームです!
2024年、日本国内でのフィッシングの報告件数が過去最多の1,718,036件となりました(出典:フィッシング対策協議会「フィッシングレポート2025」)。前年比で約1.44倍という急増ぶりです。
もはや「怪しいメールに気をつけよう」だけでは通用しません。
このシリーズでは、フィッシングレポート2025の内容を中心に、3回に分けて企業がいま直面している脅威と、その対策についてわかりやすく解説します。
第1回は、被害の全体像と企業が取るべき「意識改革」についてお届けします。
※全3回予定/第1回目。
目次[非表示]
フィッシング被害、ついに170万件超え
2024年にフィッシング対策協議会へ寄せられた報告件数は1,718,036件。これは2023年の約119万件から約44%増という大幅な増加です。なかでも、12月の報告件数は月間23万件以上と過去最多を記録しました。
毎月20万件以上の“詐欺メール”が報告されているという事実(実際の詐欺メール数はもっと多い)。これはもはや「めったにないこと」ではなく、誰でも遭遇する日常のリスクだといえます。
なぜ企業が狙われるのか?
いまやフィッシング詐欺は、個人のクレジットカード情報だけでなく、企業の資産やシステムを狙うケースが増えています。
たとえば以下のようなケースです。
- メール1通で社内ネットワークにマルウェア感染
- 顧客情報の流出
- 偽の振込依頼による資金被害
- SNS炎上やメディア報道によるブランドイメージの毀損
しかも、こうした攻撃は営業や総務、人事など技術部門以外も狙われます。「うちのセキュリティは情シスがやってるから安心」ではなく、全社員が基本的な対処力を持つことが大切です。
海外でも広がるフィッシングの脅威
世界的にも、フィッシング攻撃は急速に拡大しています。
APWG(Anti-Phishing Working Group)の最新レポート(2024年Q4)によると、
- フィッシング攻撃の最多ターゲットはSaaS/Webメールサービス(23.3%)
- SMS型フィッシング(スミッシング*)の増加傾向
- AIを使った文面生成
など、手口の巧妙化が進行中です。
特にスマートフォンユーザーを狙ったSMS経由の詐欺は、中国発のドメイン(例:.TOP)を悪用するケースが目立ち、世界中で問題視されています。
「海外の話でしょ?」と思いがちですが、同じ手口が日本でも増加中です。海外動向を知ることが、日本企業の防御力アップにもつながります。
*スミッシングとは?
フィッシング行為の一種で、SMSフィッシングから生まれた言葉。SMS(ショートメッセージ)を悪用したフィッシング手口であり、受信者の個人情報や金銭を不正に取得しようとする詐欺行為です。
フィッシング対策は“続ける”ことが重要
セキュリティ対策というと、「一度導入すれば安心」というイメージがあるかもしれません。でも現実には、攻撃者は日々新しい手法を生み出しています。
- QRコードを使ってURLフィルターを回避
- 本文に“ノイズ文字”を入れてAIをすり抜ける
- SMSや電話番号を使って、本物そっくりに装う
- AIを使用して高度に本物っぽい内容に近付ける
これらの手口は年々巧妙になっていて、経験豊富な社員でも見抜けないこともあります。だからこそ、定期的な訓練や教育で“見抜く力”をアップデートし続ける必要があるのです。
フィッシング対策は「経営課題」
この問題を「ITの話」として片付けてしまうのは危険です。いま求められているのは、企業全体で取り組むセキュリティ体制の構築です。
【役割ごとの例】
- 経営層:セキュリティを経営方針に組み込む
- 情シス:メール対策・多要素認証(MFA)・ログ管理などの整備
- 総務・人事:社内教育・ガイドライン整備
- 全社員:フィッシングを見抜く力、報告する習慣・仕組みなど
これらをバラバラではなく、連携させて運用することが大切です。
まとめ
2024年、国内のフィッシング詐欺報告件数は前年比1.44倍、過去最多の171万件超に。もはや「個人の問題」ではなく、企業活動に直結するリスクとなっています。
しかも、被害はメール1通から一気に社内に広がる可能性があり、技術部門だけで防げるものではありません。
継続的な教育と訓練を通じて、「社員一人ひとりが自分ごととして判断できる力」を育てていくことが、企業の持続的な安全につながります。
次回は、実際に使われているフィッシングの手口を紹介します。「これ、自分なら見抜けるかな?」と考えながら、ぜひお読みください。
出典
📄 フィッシング対策協議会『フィッシングレポート2025』
🌍 APWG『Phishing Activity Trends Report Q4 2024』
標的型攻撃メールは年々巧妙になっています。「気をつけて」と言うだけでは、もう防げません。実際の攻撃事例をもとにした訓練を体験し、自社の脆弱性を可視化してみませんか?
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